松代の”養蚕”の文化と記憶を受け継ぎ、未来へつなぐ ”マユビト”のつくりびとを訪ねてみました!①【マユビトってそもそもなに?】

突然ですが、みなさん、「マユビト」をご存じでしょうか?

マユビトとは”越後妻有・蓬平の里山にすんでいる地霊”として、大地の芸術祭の作品制作に携わった「夜間工房」のデザイナー 加古雅彦氏が考案し、2009年から松代蓬平(よもぎひら)地区を中心に地域住民の手によって制作されている繭人形のこと。

そもそもの始まりは、大地の芸術祭の作品として2006年に出展作家 古巻和芳(こまきかずふさ)氏と作家自身も所属する美術・建築・映像・デザイン分野にまたがる制作グループである「夜間工房」の手によって蓬平の地域住民との協働のもと制作された「繭の家」という作品がきっかけだといいます。

かつて多くの農村地域がそうであったように、松代でも農家の産業として養蚕が栄えた時代があり、どの家でも蚕を育てていた暮らしの風景がありました。

作品の舞台となった蓬平地区もまた、地域をあげて桑を育て、蚕に与え、繭をつくり糸を紡いでいた歴史がある場所。時代の変遷とともに、その産業や生活文化が次第に廃れ消えていこうとする中で、あえて”作品づくり”をきっかけに
地域の文化のひとつであった養蚕に光をあて、養蚕の記憶と経験を持つ住民たちと協働し、いま一度地域をあげて取り組んでみようという”養蚕プロジェクト”が始まりました。



繭の家の作品の公開自体は、豪雪による倒壊という自然の厳しさゆえの事情から、惜しまれつつも2011年に幕を閉じています。

マユビトは、そうした地域に残る養蚕の記憶と文化を未来へ繋いでいく、一縷の望みとなったのです。
では実際に、マユビトを生み出している現場はどんな所なのだろう?
どうして今もまだマユビトは作り続けられているのだろう?
そんな思いにかられ、マユビトの”つくりびと”を訪ねてみることにしました。

詳しくは、記事②へと続きます。

古巻和芳(こまきかずふさ)+夜間工房
1967年兵庫県生まれ。関西を拠点に主に絵画作品を発表。「大地の芸術2006」より養蚕をテーマに継続的に集落と関わり、活動している。またこれを機にインスタレーション作品の制作を本格的に始め、神戸ビエンナーレ2007実行委員会特別賞受賞、そして西船坂ビエンナーレ2010、奈良・町家の芸術祭HANARART2011に参加。忘れられゆく事や人、女性や人の生などに焦点を当て、その場の環境や場に応じた作品を発表。 作家が所属する夜閒工房は、美術・建築・映像・デザイン等を専門とするメンバーからなり、神戸大学美術部OBを中心に1992年に結成されたグループ。

マユビト 公式Facebookページ
「原色マユビト図鑑」↓マユビトをイラストで紹介。各キャラクターの設定のほか種族ごとの分類、性格などを詳しく見ることができる。
https://www.facebook.com/media/set?vanity=413860051958877&set=a.476457125699169&locale=ja_JP

越後妻有大地の芸術祭
マユビトがオンラインで購入できます!
大地の芸術祭公式オンラインshop